全米女子オープンゴルフは最も歴史ある女子ゴルフのメジャー大会として、通常、6月か7月に開催されています。
高額賞金の大会としても知られており、2020年には優勝賞金が大台を突破しました。
オープン競技として出場資格も時代とともに変わり、近年ではロレックスランキング(世界ランキング)を重視してより公平性を期しているように思われます。
今回は、全米女子オープンゴルフの優勝賞金と出場資格、歴代優勝者などについて見ていきます。
全米女子オープンゴルフの優勝賞金
全米女子オープンゴルフの賞金額は、現在の女子ゴルフの最高賞金額です。
しかも賞金額は年々増額を続けており、例えば2022年の全米女子オープンは賞金総額1,000万ドル(約14億2,000円)、優勝賞金は180万ドル(約2億5,500万円)で、2019年と比較すると実に2倍になっています。
他のメジャー大会の賞金額も同様に増額を続けていますが、全米女子オープンゴルフの賞金額トップはしばらくは揺るがないと思われます。
2000年以降の全米女子オープンゴルフの賞金総額と優勝賞金の変遷は、以下の通りです。
全米女子オープンゴルフの賞金総額と優勝賞金(2000年以降)
2024年:賞金総額1,200万ドル・優勝賞金240万ドル
2023年:賞金総額1,100万ドル・優勝賞金200万ドル
2022年:賞金総額1,000万ドル・優勝賞金180万ドル
2020・2021年:賞金総額550万ドル・優勝賞金100万ドル
2017年~2019年:賞金総額500万ドル・優勝賞金90万ドル
2015・2016年:賞金総額450万ドル・優勝賞金81万ドル
2014年:賞金総額400万ドル・優勝賞金72万ドル
2008年~2013年:賞金総額325万ドル・優勝賞金58万5,000ドル
2003年~2007年:賞金総額310万ドル・優勝賞金56万ドル
2002年:賞金総額300万ドル・優勝賞金53万5,000ドル
2001年:賞金総額290万ドル・優勝賞金52万ドル
2000年:賞金総額275万ドル・優勝賞金50万ドル
全米女子オープンゴルフの出場資格
全米女子オープンゴルフは、プロアマにかかわらず世界中の女子ゴルファーに広く門戸を開くオープン競技を目指して出場資格も時代とともに変更されてきました。
近年の傾向としては、世界の各ツアーの賞金ンキングよりもロレックスランキング(世界ランキング)を重要視するようになってきています。
2020年の出場資格は新型コロナウイルスの影響によって暫定的な措置が採られることになりましたが、2021年以降の出場資格にもまた大きな変化が見られています。
全米女子オープンゴルフの主な出場資格は、以下の通りです。
全米女子オープンゴルフの主な出場資格
- 過去10年の全米女子オープン優勝者
- 前年の全米シニア女子オープン・全米アマチュア選手権・全英アマチュア選手権の優勝者
- 前年の全米女子ジュニア・全米女子ミッドアマ優勝者と全米女子アマ2位の選手
- 前年のマーク・H・マコーマック・メダル(世界女子アマチュアゴルフランキング)受賞者
- その年のオーガスタナショナル女子アマ優勝者
- 過去5年のシェブロン選手権・全英女子オープン・全米女子プロゴルフ選手権・エビアン選手権優勝者
- 前年の全米女子オープン10位タイまでの選手
- 前年の全米女子オープン以降のLPGAツアー優勝者
- 前年のアメリカツアーポイントランキング(CMEグローブ)上位30名
- その年のアメリカツアーポイントランキング(CMEグローブ)上位10名
- 開催2か月前と開催週のロレックスランキング(世界ランキング)上位75名
- セクショナル予選通過者
- 特別推薦の選手
など
※2023年の出場資格です。
女子ゴルフのロレックスランキングについては、こちらの記事をご参照下さい↓
全米女子オープンゴルフの歴代優勝者と開催コース
全米女子オープンゴルフは世界最高峰のメジャー大会であるがゆえ、歴代優勝者もその時代のトッププロの名が並びます。
最多優勝回数はベッツィ・ロールズ(1951・1953・1957・1960年)とミッキー・ライト(1958・1959・1961・1964年)の4回、続いてベーブ・ザハリアス(1948・1950・1954年)とスージー・バーニング(1968・1972・1973年)、ホリス・ステイシー(1977・1978・1984年)、アニカ・ソレンスタム(1995・1996・2006年)の3回です。
連覇記録はミッキー・ライト(1958~1959年)とドナ・カポニ(1969~1970年)、スージー・バーニング(1972~1973年)、ホリス・ステイシー(1977~1978年)、ベッツィ・キング(1989~1990年)、アニカ・ソレンスタム(1995~1996年)、カリー・ウェブ(2000~2001年)の2連覇が最多です。
2000年以降の歴代優勝者を見てみると、アニカ・ソレンスタム(スウェーデン)とカリー・ウェブ(オーストラリア)の2強を除くとアメリカ勢と韓国勢がほぼ独占状態です。
特に韓国勢の台頭が目立っており、2000年以降9名の全米女子オープン優勝者が生まれています。
2018年にタイのアリヤ・ジュタヌガーン(タイ)がその流れを止めましたが、自国のナショナルオープンでもあるアメリカ勢にとっては是が非でも獲得したいタイトルでしょう。
開催コースは、毎年変わるローテーション(持ち回り)となっており、毎年アメリカを代表する名門コースで開催されています。
全米女子オープンゴルフの歴代優勝者と開催コースは、以下の通りです。
全米女子オープンゴルフの歴代優勝者と開催コース
2024年 笹生優花(日本)ランカスターCC
2023年 アリセン・コープス(アメリカ)ペブルビーチGL
2022年 ミンジー・リー(オーストラリア)パインニードルズ・ロッジ&GC
2021年 笹生優花(日本)ザ・オリンピックCレイクコース
2020年 キム・アリム(韓国)チャンピオンズGC
2019年 イ・ジョンウン6(韓国)CCオブチャールストン
2018年 アリヤ・ジュタヌガーン(タイ)ショール・クリークCC
2017年 パク・ソンヒョン(韓国)トランプナショナルGC
2016年 ブリタニー・ラング(アメリカ)コーデバルGC
2015年 チョン・インジ(韓国)ランカスターCC
2014年 ミシェル・ウィー(アメリカ)パインハーストNo.2
2013年 パク・インビ(韓国)セボナックGC
2012年 チェ・ナヨン(韓国)ブラックウルフラン・コンポジットC
2011年 ユ・ソヨン(韓国)ザ・ブロードモアGC・イーストC
2010年 ポーラ・クリーマー(アメリカ)オークモントCC
2009年 ジ・ウンヒ(韓国)ソーコンバレーCC
2008年 パク・インビ(韓国)インターラケンCC
2007年 クリスティ・カー(アメリカ)パインニードルズロッジ&GC
2006年 アニカ・ソレンスタム(スウェーデン)ニューポートCC
2005年 バーディ・キム(韓国)チェリーヒルズCC
2004年 メグ・マローン(アメリカ)オーチャーズGC
2003年 ヒラリー・ランキ(アメリカ)パンプキンリッジGC
2002年 ジュリ・インクスター(アメリカ)プレイリーデューンズGC
2001年 カリー・ウェブ(オーストラリア)パインニードルズロッジ&GC
2000年 カリー・ウェブ(オーストラリア)メリットクラブ
1999年 ジュリ・インクスター(アメリカ)オールド・ウェバリーG.C
1998年 朴セリ(韓国)ブラックウルフラン・コンポジットC
1997年 アリソン・ニコラス(イングランド)パンプキンリッジGC
1996年 アニカ・ソレンスタム(スウェーデン)パインニードルズロッジ&GC
1995年 アニカ・ソレンスタム(スウェーデン)ザ・ブロードモアGC・イーストC
1994年 パティ・シーハン(アメリカ)インディアンウッドG&CC
1993年 ローリー・マーティン(アメリカ)クルックドスティックGC
1992年 パティ・シーハン(アメリカ)オークモントCC
1991年 メグ・マローン(アメリカ)コロニアルCC
1990年 ベッツィ・キング(アメリカ)アトランタアスレチックC
1989年 ベッツィ・キング(アメリカ)インディアンウッドG&CC
1988年 リサロッテ・ノイマン(スウェーデン)ボルチモアCC
1987年 ローラ・デービース(イングランド)プレーンフィールドCC
1986年 ジェーン・ゲディーズ(アメリカ)NCRカントリークラブ
1985年 キャシー・ベイカー(アメリカ)バルスタロールGC
1984年 ホリス・ステイシー(アメリカ)セイラムCC
1983年 ジャン・スティーブンソン(オーストラリア)シーダリッジCC
1982年 ジャネット・アンダーソン(アメリカ)デル・パソCC
1981年 パット・ブラッドリー(アメリカ)ラ・グランデCC
1980年 エイミー・オルコット(アメリカ)リッチランドCC
1979年 ジェルリン・ブリッツ(アメリカ)ブルックローンCC
1978年 ホリス・ステイシー(アメリカ)インディアナポリスCC
1977年 ホリス・ステイシー(アメリカ)ヘーゼルティンナショナルGC
1976年 ジョアン・カーナー(アメリカ)ローリンググリーンGC
1975年 サンドラ・パーマー(アメリカ)アトランティックシティーCC
1974年 サンドラ・ヘイニー(アメリカ)ラ・グランデCC
1973年 スージー・バーニング(アメリカ)ロチェスターCC
1972年 スージー・バーニング(アメリカ)ウイングドフットGC
1971年 ジョアン・カーナー(アメリカ)カーカC
1970年 ドナ・カポニ(アメリカ)マスコギーCC
1969年 ドナ・カポニ(アメリカ)セニックヒルズCC
1968年 スージー・バーニング(アメリカ)モスレムスプリングGC
1967年 カトリーヌ・ラコスト(フランス)バージニアホットスプリングス ※アマチュア優勝
1966年 サンドラ・スプジッチ(アメリカ)ヘーゼルティンナショナルGC
1965年 キャロル・マン(アメリカ)アトランティックシティーCC
1964年 ミッキー・ライト(アメリカ)サンディエゴCC
1963年 メアリー・ミルズ(アメリカ)ケンウッドCC
1962年 ミュール・リンドストローム(アメリカ)ダンGC
1961年 ミッキー・ライト(アメリカ)バルスタロールGC
1960年 ベッツィー・ロールズ(アメリカ)ウォーセスターCC
1959年 ミッキー・ライト(アメリカ)チャーチルバレーCC
1958年 ミッキー・ライト(アメリカ)フォレストレイクCC
1957年 ベッツィー・ロールズ(アメリカ)ウイングドフットGC
1956年 キャシー・コーネリアス(アメリカ)ノースランドCC
1955年 フェイ・クロッカー(ウルグアイ)ウィチタCC
1954年 ベーブ・ザハリアス(アメリカ)セイラムCC
1953年 ベッツィー・ロールズ(アメリカ)ロチェスターCC
1952年 ルイーズ・サグス(アメリカ)バラGC
1951年 ベッツィー・ロールズ(アメリカ)ドルイドヒルズGC
1950年 ベーブ・ザハリアス(アメリカ)ローリングヒルズCC
1949年 ルイーズ・サグス(アメリカ)プリンスジョージG&CC
1948年 ベーブ・ザハリアス(アメリカ)アトランティックシティーCC
1947年 ベティ・ジェームソン(アメリカ)スターマウントフォレストCC
1946年 パティ・バーグ(アメリカ)スポケンCC
全米女子オープンゴルフの優勝賞金~まとめ
今回は、全米女子オープンゴルフの優勝賞金と出場資格、歴代優勝者などについて見てきました。
全米女子オープンゴルフは現在の女子ゴルフの最高賞金額の大会で、2023年には賞金総額1,100万ドル(約15億6,200万円)、優勝賞金は200万ドル(約2億8,400万円)で、2021年の実に2倍になっています。
出場資格はオープン競技にふさわしく各地で予選会が開催されていますが、近年ではロレックスランキング(世界ランキング)を重視しています。
2000年以降の歴代優勝者を見ると、アニカ・ソレンスタム(スウェーデン)とカリー・ウェブ(オーストラリア)の2強を除くとアメリカ勢と韓国勢のほぼ独占状態で、特に韓国勢の台頭が目立っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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