2019年のヨーロッパツアー賞金王に輝き、レース・トゥ・ドバイを制したのがジョン・ラーム選手(スペイン)です。
いかにもパワー・ヒッターという見た目から放たれるドライバーの飛距離はゆうに300ヤードを超えますが、いったいどんなクラブセッティングなのでしょうか?
調べてみると、ジョン・ラーム選手のクラブセッティングはパワー・ヒッターらしく非常にオーソドックスでシンプルなものでした。
今回は、テーラーメイドで統一されたジョン・ラーム選手のクラブセッティング最新版を見ていきたいと思います。
ジョン・ラームのクラブセッティング最新版
ジョン・ラーム選手のクラブセッティングはドライバーからアイアン、ウエッジ、パター、さらにボールに至るまですべて使用契約を結んでいるキャロウェイで統一されています。
以前はテーラーメイドで統一していましたが、2021年にキャロウェイに一新しました。
クラブセッティングの基本的な構成は、ドライバー1本とフェアウェイウッドが3W(スプーン)と5W(クリーク)の2本、アイアンが4番アイアン~PWの7本、ウエッジが3本、そしてパターの14本で、コースによっては5W(クリーク)の代わりにユーティリティを使用することもあります。
流行のユーティリティも以前は採用していませんでしたが、いかにもパワー・ヒッターらしいクラブセッティングといえるでしょう。
ガリバーのような身長188cm、体重100kgの恵まれた体格・パワーをもってすれば、ロングアイアンも余裕で打ちこなせるということでしょう。
アマチュア・ゴルファーからすれば羨ましい限りで、とてもマネできない部分です。
では、ジョン・ラーム選手のクラブセッティングをドライバーから順に見ていきましょう。
ジョン・ラームのドライバー2023
キャロウェイ:「パラダイム トリプルダイヤモンド」(10.5度)
シャフト:アルディラ「ツアーグリーンATX75」(長さ45.25インチ・フレックス:TX)
ジョン・ラーム選手の使用ドライバー2023は、キャロウェイの「パラダイム トリプルダイヤモンド」に変更しています。
ヘッド体積が450ccとやや小ぶりで、シャープに振りぬけるモデルです。
ジョン・ラームのドライバー2022
キャロウェイ:「ローグST トリプルダイヤモンド」(10.5度)
シャフト:アルディラ「ツアーグリーン75」(長さ45.25インチ・フレックス:TX)
ジョン・ラーム選手の使用ドライバー2022は、キャロウェイの「ローグST トリプルダイヤモンド」に変更しています。
ジョン・ラームのドライバー2021
キャロウェイ:「エピック スピード トリプルダイヤモンド」(10.5度)
シャフト:アルディラ「ツアーグリーン75」(長さ45.25インチ・フレックス:TX)
ジョン・ラーム選手の使用ドライバー2021は、キャロウェイの「エピック スピード トリプルダイヤモンド」に変更しています。
ドライバーのモデルこそ変わったもののロストやシャフトなどの細かいスペックは、以前と同じフィーリングでスイングできるように踏襲されています。
ジョン・ラームのドライバー2020
テーラーメイド:「SIM」(10.5度)
シャフト:アルディラ「ツアーグリーン75」(長さ45.25インチ・フレックス:TX)
ジョン・ラーム選手の使用ドライバー2020は、テーラーメイドの「SIM」です。
意外なのがロフト角が10.5度とジョン・ラーム選手ほどのパワー・ヒッターにしては寝ているということで、同じパワー・ヒッターでもブライソン・デシャンボー選手は逆にロフトを立てているのとは対照的です。
ジョン・ラームのフェアウェイウッド2023
3W(スプーン)・5W(クリーク)
キャロウェイ:「パラダイム トリプルダイヤモンドT」(16度・18度)
ジョン・ラーム選手の使用するフェアウェイウッド2023は、ドライバー同様に「パラダイム トリプルダイヤモンドT」に変更しています。
ジョン・ラームのフェアウェイウッド2022
3W(スプーン)
キャロウェイ:「ローグST トリプルダイヤモンド T HL」(16.5度)
シャフト:アルディラ「ツアーグリーン 85」(43.25インチ・フレックス:TX)
5W(クリーク)
キャロウェイ:「ローグST トリプルダイヤモンド T」(18度)
シャフト:グラファイトデザイン「ツアーAD-DIブラック8」(42インチ・フレックス:X)
ジョン・ラーム選手の使用するフェアウェイウッド2022は、「ローグST トリプルダイヤモンド」に変更しています。
ジョン・ラームのフェアウェイウッド2021
3W(スプーン)・5W(クリーク)
キャロウェイ:「エピック スピード トリプルダイヤモンド」(15度・18度)
ジョン・ラーム選手の使用するフェアウェイウッド2021は、ドライバー同様にテーラーメイドからキャロウェイの「エピック スピード トリプルダイヤモンド」に変更しています。
ジョン・ラームのフェアウェイウッド2020
3W(スプーン)・5W(クリーク)
テーラーメイド:「SIM」(15度・19度)
シャフト:アルディラ「ツアーグリーン85」(TX)
ジョン・ラーム選手の使用するフェアウェイウッド2020は、3W(スプーン)と5W(クリーク)の2本体制でロフト角も自然な流れで、ドライバー、フェアウェイウッドともオーソドックスなセッティングといえます。
ただし、シャフトはパワー・ヒッターならではのハード・スペックで、一般のアマチュア・ゴルファーのパワーではとてもマネできないものです。
ジョン・ラームのユーティリティ2022
UT
キャロウェイ:XフォージドUT ドライビングアイアン(22度)
ジョン・ラーム選手の使用するユーティリティ2022は、キャロウェイの「XフォージドUT ドライビングアイアン」で、アイアンタイプのユーティリティです。
いつもバッグに入れているというわけではなく、コースによって5番ウッドとユーティリティのどちらかを採用しているようです。
ジョン・ラームのアイアン2023・2022・2021
4番~PW
キャロウェイ:「エイペックス TCB」
シャフト:トゥルーテンパー「プロジェクトX ライフル」(フレックス:6.5)
ジョン・ラーム選手の使用アイアン2023・2022・2021は、キャロウェイの「エイペックス TCB」に変更しています。
キャビティタイプのモデルですが、シャフトは変わらずプロジェクトXを愛用しています。
ジョン・ラームのアイアン2020
4I~PW
テーラーメイド:「P750」
シャフト:トゥルーテンパー「プロジェクトX ライフル」(フレックス:6.5)
ジョン・ラーム選手の使用アイアン2020は、テーラーメイドの「P750」で、ネックはほとんどストレートでヘッドは小さく完全にヘッドスピードの速いゴルファー向きのモデルです。
キャビティにもかかわらずマッスルバックと変わらない打感で、飛距離を求めるタイプのアイアンではありません。
4番アイアンは、テーラーメイド「SIM MAX」(19度)というユーティリティに似たやさしいタイプを使用することもあるようです。
ジョン・ラームのウエッジ2023
52度・56度・60度
キャロウェイ:「ジョーズ RAW」
ジョン・ラーム選手の使用ウエッジ2023は、キャロウェイの「ジョーズ RAW」に変更されていますが、ロストやシャフトは従来通りとなっています。
ジョン・ラームのウエッジ2022・2021
52度・56度・60度
キャロウェイ:「ジョーズ フォージド」
シャフト:トゥルーテンパー「プロジェクトX ライフル」(フレックス:6.5)
ジョン・ラーム選手の使用ウエッジ2022・2021は、キャロウェイの「ジョーズ」に変更されています。
52度・56度・60度
テーラーメイド:「ミルド グラインド ハイ・トゥ」(52度)
テーラーメイド:「ミルドグラインド2」(56度・60度)
シャフト:トゥルーテンパー「プロジェクトX ライフル」(フレックス:6.5)
ジョン・ラーム選手の使用ウエッジ2020は、52度の「ミルド グラインド ハイ・トゥ」はその名の通り、フェースのトゥ側を高くしたデザインで重心がより真ん中になるように設計されており、56度・60度の「ミルドグラインド2」はそこまでトゥ側が高くありません。
ロフト角もきれいに4度刻みで、クセのないセッティングといえます。
ジョン・ラームのパター2023・2022
オデッセイ:「ホワイトホットOGロッシー」
ジョン・ラーム選手の使用パター2022は、オデッセイの「ホワイトホットOGロッシー」に変更しています。
オデッセイ:「2-BALL TEN」
ジョン・ラーム選手の使用パター2021は、オデッセイの「2-BALL TEN」に変更しています。
その名の通り「2-BALL」と「TEN」が合体したモデルで、アドレスが取りやすくなり打感も向上したといわれています。
ジョン・ラームのパター2020
テーラーメイド:「スパイダーツアー」
ジョン・ラーム選手の使用パター2020は、テーラーメイドの「スパイダーツアー」で、スラントネックが特徴的で柔らかいマイルドな打感のモデルです。
その他、主なプロゴルファーのクラブセッティング一覧(男子・女子別)は、こちらからどうぞ↓
ジョン・ラームの使用ボール2023・2022・2021
キャロウェイ:「クロムソフトX」
ジョン・ラーム選手の使用ボール2022・2021は、キャロウェイの「クロームソフトX」に変更しています。
4ピース構造のボールで、初速のアップを実現し、スピン性能とコントロール性能に優れたモデルです。
テーラーメイド:「TP5 ボール」
ジョン・ラーム選手の使用ボール2020は、テーラーメイド新5層のツアーボールで、飛距離性能はもちろんのこと加えて柔らかい打感が特徴で、アプローチでのスピン性能に優れています。
ジョン・ラームのプロフィール
ジョン・ラーム選手は1994年のスペインのバスク州出身で、2016年にプロ転向すると、2017年「ファーマーズインシュランス」でのツアー初優勝を飾りました。
その後も順調にステップアップし、2019年にはヨーロッパツアーで年間3勝を挙げて初の年間王者、2020年には「ザ・メモリアルトーナメント」で優勝し世界ランキング1位の座に就いています。
そして、2021年には全米オープンに優勝し初のメジャー・タイトルを獲得し、再び世界ランキング1位に返り咲くなど、トッププロとして活躍を続けています。
2023年4月にはマスターズを制して、メジャー2勝目をあげています。
ジョン・ラーム選手のプロフィールは、以下の通りです。
ジョン・ラームのプロフィール
名前
ジョン・ラーム
身長・体重
188cm・100kg
生年月日
1994年11月10日
出身地
スペイン・バリカ
出身校
アリゾナ州立大学
ドライバー平均飛距離
314.1ヤード(2023年3月)
プロ転向
2016年
ツアー優勝
通算19勝(アメリカ11勝、ヨーロッパ8勝)
メジャー2勝(全米オープン2021、マスターズ2023)
契約
キャロウェイ
※ツアー成績は2023年8月25日時点のものです。
ジョン・ラームのクラブセッティング最新版~まとめ
今回は、キャロウェイで統一されたジョン・ラーム選手のクラブセッティング最新版を見てきました。
ジョン・ラーム選手のクラブセッティングは、ドライバー1本とフェアウェイウッドが3W(スプーン)と5W(クリーク)の2本、アイアンが4番アイアン~PWの7本、ウエッジが3本、そしてパターの14本という構成でコースによっては5W(クリーク)を抜いてユーティリティを採用しています。
ウッド系はやさしく飛ばし、ピンを狙うアイアンはシビアにスポットを狙い撃ちしようという意図が見られる、いかにもパワー・ヒッターらしいクラブセッティングといえるでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※プロゴルファーは状況に応じて使用クラブを変えるため、実際使用するクラブセッティングは異なる場合があります。
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