渋野日向子選手は2018年にプロテストに合格して2019年からツアーに参加すると、サロンパスカップ2019でツアー初優勝を飾り、海外メジャーの全英女子オープン2019までも制して一躍スターダムを駆け上りました。
黄金世代といわれる選手のひとりで、そのキレのあるスイングは定評のあるところですが、それを支える渋野日向子選手の14本のクラブセッティング最新版は、どうなっているのでしょうか?
今回は、前年との違いも含めた渋野日向子選手のクラブセッティング最新版などを見ていきたいと思います。
渋野日向子のクラブセッティング最新版
渋野日向子のクラブセッティング最新版は、ドライバーが1本とフェアウェイウッドが3W(スプーン)と7Wの2本、ユーティリティが2本、アイアンは6~9番の4本、ウエッジが4本とパターの14本で、ボール以外はすべてピンで統一されています。
ややハンドダウン気味なアドレスから繰り出されるショットは力感も十分ですが、それもそのはず渋野日向子選手は野球とソフトボールのキャリアがあるそうです。
下半身も強そうですし、クラブセッティングはかなりのハードスペックなのかと予想しましたが、思いのほかやさしいスペックでした。
いつもニコニコした笑顔でラウンドしサバサバした印象のある渋野日向子選手ですが、クラブセッティング最新版には随所に工夫が見られます。
渋野日向子のクラブセッティング(樋口久子 三菱電機レディス2022)
ドライバー:ピン「G410 プラス」(ロフト9度)
シャフト:フジクラ「スピーダーNX50」(長さ44.75インチ・フレックス:S)
フェアウェイウッド(3W・7W):ピン「G425 MAX」
シャフト:フジクラ「スピーダーNX50」(フレックス:S)
ユーティリティ(5U・6U):ピン「G425ハイブリッド」
シャフト:フジクラ「スピーダーTRハイブリッド75」(フレックス:S)
アイアン(6~9番):ピン「i230」
シャフト:フジクラ「MCI80」(フレックス:R)
ウェッジ(ロフト46・52・54・58度):ピン「グライド3.0」
シャフト:フジクラ「MCIマイルド105」(フレックス:R)
パター:ピン「PLD ミルド DS72」
渋野日向子のドライバー2022・2021
ピン:「G410 プラス」(9度)
シャフト:フジクラ「スピーダーNX50」(長さ44.75インチ・フレックス:S)
渋野日向子選手の2022・2021年の使用ドライバーは、変わらずピンの「G410 プラス」ですが、シャフトをフジクラの「スピーダー NX50」に変更しています。
渋野日向子のドライバー2020
ピン:「G410 プラス」(10.5度)
シャフト:フジクラ「VENTUS(ヴェンタス)5」(フレックスS)
ドライバーは2019年と同じ「G410 プラス」ですが、シャフトが同じフジクラの「スピーダーエボリューション6」から変更になり、フレックスもSR→Sに変わっています。
中調子→中元調子でよりハードヒッター向けとなり、大きなタメを作って強いインパクトになります。
渋野日向子のドライバー2019
ピン:「G410 プラス」(10.5度)
シャフト:フジクラ「スピーダーエボリューション6」(長さ44.75インチ・フレックスSR)
ドライバーは、ピンの2019年3月発売の低・深重心によって実現した飛距離性能の高さが魅力のモデルを使用しています。
シャフトが長さ44.75インチ、フレックスSRというのは渋野日向子選手の身体能力を考えるとちょっと意外な感じがしました。
他にも鈴木愛選手や比嘉真美子選手などもこのドライバーを愛用しています。
渋野日向子のフェアウェイウッド2022・2021
3W(スプーン)・7W
ピン:「G425 MAX」(3番14.5度・7番20.5度)
シャフト:フジクラ「スピーダーNX50」(フレックス:S)
渋野日向子選手が使用する2022・2021年のフェアウェイウッドは、ミスヒットに強く初速アップを実現する「G425 MAX」に変更しています。
変わらず2本体制ですが、5W(クリーク)を抜いて7Wを入れていますが、コースによって使い分ける可能性は高いと思われます。
渋野日向子のフェアウェイウッド2020
3W(スプーン)・5W(クリーク)
ピン:「G410 フェアウェイウッド LST」(3番14.5度)
シャフト:フジクラ「VENTUS(ヴェンタス)5」(フレックスS)
ピン:「G410 フェアウェイウッド」(5番17.5度)
シャフト:フジクラ「VENTUS(ヴェンタス)5」(フレックスS)
フェアウェイウッドもドライバー同様、シャフトのみ2019年と変わり、シャフトが同じフジクラの「スピーダーエボリューション4」から変更になり、フレックスもSR→Sに変わっています。
渋野日向子のフェアウェイウッド2019
3W(スプーン)・5W(クリーク)
ピン:「G410 フェアウェイウッド LST」(3番14.5度)
シャフト:フジクラ「スピーダーエボリューション4」(フレックスSR)
ピン:「G410 フェアウェイウッド」(5番17.5度)
シャフト:フジクラ「スピーダーエボリューション4」(フレックスSR)
フェアウェイウッドは2本で、スプーンとクリークを入れています。
ドライバーからの流れの延長線上にあるという印象を受けますが、ロフト角はやや立ち気味でしょうか。
飛距離にこだわっているのかもしれませんね。
渋野日向子のユーティリティ2022・2021
5UT・6UT
ピン:「G425 ハイブリッド」(26・30度)
シャフト:フジクラ「TRハイブリッド75」(フレックス:S)
渋野日向子選手が使用する2022・2021年のユーティリティは2本体制に変わりはありませんが、5UTと6UTとなり、フェアウェイウッド同様に「G425 ハイブリッド」に変更しています。
渋野日向子のユーティリティ2020
4UT・5UT
ピン:「G410 ハイブリッド」(22度・25度)
シャフト:フジクラ「TRハイブリッド75」(フレックスS)
ユーティリティは「G410 ハイブリッド」とモデルは前年と同じなのですが、ロフト角が19度・22度の組み合わせから22度・25度に、シャフトが同じフジクラの「ダイヤモンドスピーダーHB7」から変更しています。
渋野日向子のユーティリティ2019
3UT・4UT
ピン:「G410 ハイブリッド」(3番19度・4番22度)
シャフト:フジクラ「ダイヤモンドスピーダーHB7」(フレックスS)
ユーティリティもフェアウェイウッド同様、2本でやはりロフト角は少な目で少しでも飛距離を出したいという印象を受けます。
ユーティリティは、今やフェアウェイウッドとアイアンをつなぐ重要なクラブになっています。
ユーティリティの4番22度とアイアンの流れが少し気になるところではあります。
渋野日向子のアイアン2022
6~9番アイアン
ピン:「i230 アイアン」
シャフト:フジクラ「MCI80」(フレックス:R)
渋野日向子選手が使用する2022年のアイアンは、同じピンの「i230」に変更しています。
2022年のニュー・モデルで、渋野日向子選手にとっては約4年ぶりのアイアン変更になります。
「i210」に進化版モデルで、球も上がり、やさしく振り抜きやすいということでほとんど即決だったようです。
渋野日向子のアイアン2021
6~9番アイアン
ピン:「i210 アイアン」
シャフト:フジクラ「MCI80」(フレックス:R)
渋野日向子選手が使用する2021年のアイアンは、5番アイアンの代わりにユーティリティを入れてPWも抜き、6番アイアンからの4本となっています。
「G425 アイアン」の6番アイアンをユーティリティ感覚で採用した時期もありましたが、従来通り「i210 アイアン」となりました。
渋野日向子のアイアン2020
5番~PW
ピン:「i210 アイアン」
シャフト:フジクラ「MCI80」(フレックスS)
アイアンはクラブ&シャフトともに前年と同じですが、シャフトのフレックスがRからSに変わっています。
渋野日向子のアイアン2019
5番~PW
ピン:「i210 アイアン」
シャフト:フジクラ「MCI80」(フレックスR)
アイアンは5番アイアンからという流れで、シャフトはMCI80のフレックスRということで、やはりかなりやさしいスペックですね。
ロフト角は5番26度、PWで45度ということでユーティリティとウエッジとの飛距離の差が気になります。
渋野日向子のウエッジ2022・2021
46度・52度・54度・58度
ピン:「グライド 3.0」
シャフト:フジクラ「MCI105 MILD」(フレックスR)
渋野日向子選手が使用する2022・2021年のウエッジは、これまでの2本体制から4本体制になりました。
モデルはピンの「グライド3.0」で、46度は抜いたPWに相当し、ロフト角はこれまでに比べてかなり小刻みになっています。
渋野日向子のウエッジ2020
52度・56度
ピン:「グライド フォージド」
シャフト:フジクラ「MCI MILD 105」
ウエッジは昨年と同じモデルを使用していますが、ロフト角を58度→56度、シャフトも「KBSツアー90」から変更しています。
渋野日向子のウエッジ2019
52度・58度
ピン:「グライド フォージド」
シャフト:「KBSツアー90」(フレックスR)
ウエッジもやはりピンを使用していますが、PWのロフト角が45度で次のウエッジが52度ですから7度の開きがあります。
ここまで見ると渋野日向子選手のクラブセッティングは、全体的にショートゲームよりもロングゲームに重きを置いたクラブセッティングといえるでしょう。
渋野日向子のパター2022
ピン:「PLD ミルド DS72」
渋野日向子選手の2022年のパターは、ピン「PLD ミルド DS72」です。
同じピンのモデルですが、ついにパターが変更になり、以前のピン型からマレット型になりました。
長年使い慣れたモデルからの変更ということで渋野日向子選手にとっては、かなり大きな変更なのではないでしょうか。
渋野日向子のパター2021・2020・2019
ピン:「シグマ2 アンサー」
渋野日向子選手のアグレッシブなパッティングを支えるパターは、ピンの「シグマ2 アンサー」です。
ピンといえば、ピンアンサーといわれたぐらいですから、驚くほどのことではありませんが、クラブセッティング14本すべてがピンというのはなかなかに珍しいのでは…?
パターも長年に渡って使用していたのと同じモデルです。
現在はこのモデルでうまくいっているので、そうそう変えることはなさそうです。
渋野日向子の使用ボール2022・2021
タイトリスト「プロ V1x ボール」
渋野日向子選手の使用するボールは、現在は同じタイトリストの「プロ V1x ボール」に変更しています。
以前使用していた「プロV1」と比較すると、打感はやや硬めでスピン量が少なめのモデルです。
両モデルの打感など、違いは筆者が打っても微差でした。
渋野日向子の使用ボール2020・2019
タイトリスト「プロ V1 ボール」
渋野日向子選手はボールのみピンではなく、タイトリストの「プロV1」を使用しています。
考えてみるとピンではボールは製造してませんから当然のことですが…。
タイトリストだと「プロ V1x ボール」がありますが、渋野日向子選手が使用している「プロ V1 ボール」の方が、打感は柔らかいという評判です。
「プロ V1」シリーズでも打感が柔らかいほうのモデルです。
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渋野日向子のクラブセッティング最新版~前年との違い
渋野日向子選手のクラブセッティングは、2019年のデビュー当初はロングゲームに重きを置いた印象が強かったのですが、徐々にショートゲームを充実させる方向にシフトしてきているのがわかります。
割と大雑把(?)だったクラブセッティングがどんどん緻密になってきています。
2022・2021年と2020年の違い
渋野日向子選手の2022・2021年のクラブセッティングで2020年との違いは、最も大きいのがウエッジ4本体制になったことでしょう。
これによりユーティリティが1本になりましたが、全英女子オープンに優勝した2019年オフからショートゲームのレベルアップを課題としており、ウエッジのヴァリエーションを増やして少しでも良くしていこうという意識の表れに感じます。
また、ドライバーとアイアンは従来のモデルを使用し続けていますが、フェアウェイウッド~ユーティリティ~アイアン1本を「G425」シリーズに変更して、ロングゲームをよりやさしくプレーする方針です。
2020年と2019年の違い
2020年と2019年との違いは、シーズン開幕前の時点で、クラブのモデル自体はドライバーからパター・ボールまですべて同じなのですがシャフトが違います。
メーカーはすべてフジクラ製で統一され、フレックスはSに変わっています。
シーズンオフの間に相当、ハードなトレーニングを積んだのか、テレビを見ていても一回りか二回りぐらい渋野日向子選手の体が大きくなったのを感じた方も多いのではないかと思います。
これによりシャフトがこれまでより格段にハードスペックになり、渋野選手本人も飛距離アップを実感しているようです。
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渋野日向子のスイング
最後に渋野日向子選手のスイングです。
渋野日向子選手は本来は右利きですが、ソフトボールでは右投げ左打ちでした。
ゴルフは右打ちなので、バランスをとるためにソフトボールでは左打ちにしていたんだとか…。
アドレスを見てもわかるんですが、ストロンググリップで両肘の強力な絞り込み、そしてハンドダウンが特徴です。
そして、アドレスの両脇の締めと前傾をキープしながらバックスイング~インパクト~フォローと緩まず一気に振り抜いていきます。
ダウンスイングでのタメ、大きなフォローと足腰や背筋の強さを感じさせる、思い切りのいい素晴らしいスイングですね。
ソフトボールや野球のキャリアも強く感じさせます。
渋野日向子ののクラブセッティング最新版~まとめ
今回は、前年との違いも含めた渋野日向子のクラブセッティング最新版を見てきました。
渋野日向子のクラブセッティング最新版は、ドライバーが1本とフェアウェイウッドが3W(スプーン)と7Wの2本、ユーティリティが2本、アイアンは6~9番の4本、ウエッジが4本とパターの14本で、ボール以外はすべてピンで統一されています。
前年との最も大きな違いはウエッジが2本体制から4本体制に変わるなど、よりショートゲームに重きを置いたクラブセッティングに変わってきています。
オリンピック代表権獲得や賞金女王など新たな目標に向かって、さらにチューンアップしているのを感じさせるクラブセッティングになっています。
層の厚い黄金世代の中でも一歩抜きん出ている印象もある渋野日向子選手ですが、今後の活躍がさらに楽しみですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※プロゴルファーは状況に応じて使用クラブを変えるため、実際使用するクラブセッティングは異なる場合があります。
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